元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

読書日記

弟がやたらと本をくれる(←本の題じゃないです)*読書日記24

最近、弟がよく本を読むようになった。子供の頃は全然読まなかったのに。不思議。そして読み終えた本を私にくれる。私が多読速読だった頃しか知らないので、姉に活字を与えれば喜ぶと今でも思っているようだ。彼の読書のスピードが早いので、未読の本がどん…

青豆とうふ(安西水丸・和田誠)*読書日記23

安西水丸と和田誠。二人とも私が大好きなイラストレータだ。以前、二人の共著である『NO IDEA』という本をたまたま見つけて買った。その時に初めて、この二人が親しい仲なのだと知った。 www.grisella.jp 安西水丸は2014年、和田誠は2019年に亡くなってしま…

エリック・カールの動物さんぽ―19のショート・ストーリー*読書日記22

(読書日記はネタバレは全く気にせず書いています。ご注意ください) 今年、エリック・カールが亡くなって、『Flora and Tiger 19 very short stories from my life』という本のことを思い出した。作者自身が体験したことを、思い出すままに書き留めたエッセ…

『杉浦日向子の食・道・楽』*読書日記21

近所のブックオフに寄った。長いこと読書の習慣を失っていたので、読んだことがない作家の名前が増えた。知らない作家の本を買ってみようと思ってページをめくってみても、なんとなく気が乗らない。結局、昔読んだ杉浦日向子のエッセイ本を買った。 ここ数年…

硫黄島〜国策に翻弄された130年(石原俊)*読書日記20(追記あり)

*読書日記は、ネタバレを気にせずに書いてます。* この記事を読んで買った本。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com 硫黄島といえば、「第二次世界大戦で戦場となった場所」くらいの知識しかなかった。読んで初めて、島の歴史や、そこで暮す人々の生活を知るこ…

『猫と悪魔』(ジェイムズ・ジョイス/丸谷才一訳)*読書日記18

今週のお題「ねこ」 *「読書日記」では、ネタバレには一切注意を払っていません* ↓これを読んだ。 anond.hatelabo.jp 「正字正かな遣いクラスタ」の具体例を知らないので、いまいちどう格好悪いのかわからなかったけど、この文章を読んで歴史的仮名遣いに…

『贅沢貧乏のマリア』/『 エミリ・ディキンスン家のネズミ』〜思ってたのと違った本*読書日記17

少しずつ、未読の蔵書を読んでいる。今週読んだのは『贅沢貧乏のマリア』と『 エミリ・ディキンスン家のネズミ』。全然、何の関連もない本だけど、どちらも「思ってたのと違った」本。むりやり関連づけると「他人の目を通して作家をみる」本。 贅沢貧乏のマ…

「学習/科学 5年の読み物特集号 1973年版」(学習研究社刊)*読書日記16

小学生の頃、夏休みになると、「読み物特集号」という雑誌を買ってもらっていた。学校で注文を取りまとめていて、終業式の日にもらって帰っていた気がする。 この夏、古本屋で見つけたので、懐かしくて買ってきた。(学年がズレているので、この本自体を当時…

「上野千鶴子著『マザコン少年の末路』の記述をめぐって」(河合文化教育研究所)*読書日記15

東大の祝辞の件では、絶賛の声が多くてとまどい、いくつかブコメを書いたけれど、そのあと考え込んでしまった。「匿名で発言することにどこまで責任を持つか」ということについて。 www.grisella.jp 「自分が興味があり労力を割くだけの価値がある、と思うこ…

「ジュンと秘密の友だち」(佐藤さとる)*読書日記14

匿名ダイアリーの 高圧送電鉄塔萌え、高圧送電鉄塔観光ってないのか? を読んだら、『ジュンと秘密の友だち』のことを思い出した。 ジュンと秘密の友だち (講談社文庫―佐藤さとるファンタジー童話集) 作者: 佐藤さとる 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1977…

「偽悪者のフェミニズム」(小倉千加子)/「女、一生の働き方ー貧乏ばあさん(BB)から働くハッピーばあさん(HB)へ」(樋口恵子)*読書日記13

ゴールデンウィーク中に読もうと思って図書館で何冊も本を借り、借りられなかった本はリクエストを出してきた。多くのリクエスト本は休み中には間に合わず、今ようやく手元にきている。その中の2冊。 対談 偽悪者のフェミニズム 作者: 小倉千加子 出版社/メ…

「結婚の条件」(小倉千加子)「幸福論」(小倉千加子、中村うさぎ)*読書日記12

ゴールデンウィーク中に本を読もうと思って、図書館でいくつか借りてきました。読みたかった本のほとんどが蔵書になかったのでリクエストを出してきました。連休中に間に合うかしら。「リクエスト」というのは、他館に照会して取り寄せるか、新規購入をして…

「犬鳴山開拓史考」を読みました

書籍ではなく、ネット上の記事です。犬鳴トンネル近くの砕石所のことを調べていて見つけました。戦後、犬鳴山に入植した方々の話です。サイト内の他記事を読んでいくうちに、聞き手は元高校教諭の方だとわかりました。 犬鳴山開拓史考 それほど長い文章では…

「青玉獅子香炉」(陳舜臣)*読書日記11

東京国立博物館で顔真卿展があっているという記事を読みました。 中国の著名書家「顔真卿」の日本展が中国で炎上している理由 | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン 見出しはいかがなものかと思いますが、内容は興味深かったです。この記事を読んでい…

「錦の中の仙女」(伊藤高麿 編訳)*読書日記10

一昨日、古本屋で購入しましたが、実はもっと古い昭和31年発行の本を前から持っています。収録作のうち「錦の中の仙女」だけ読んで本棚に並べてました。 (左が元から持っていた本。右が今回購入本で、奥付に「昭和43年第8刷」とありました。) 以前、この本…

「ダルちゃん」(はるな檸檬)*読書日記9

連載が始まった時に話題になってて(おもしろそうだし読んでみようか)と思ったまま、その時に公開されていた数話を読んだきり。忘れていたら、こちらで紹介されていたので思い出しました。 fuyu.hatenablog.com それで全話いっぺんに読んだのですが。45話…

いつも彼らはどこかに(小川洋子)*読書日記8

小川洋子には、デヴィッド・リンチっぽさを感じてしまう。嫌いではないけれど体調が悪い時には読まないようにしています。 この作品は、表紙のかわいらしさに惹かれて買いました。八つの話が収録された短編集で、どの作品にも動物が出てくるとのこと。帯に「…

日日雑記(武田百合子)*読書日記7

武田百合子を知ったのが先か、その娘の武田花を知ったのが先か、もう忘れてしまいました。昔、落ち込んだ気分の時に武田百合子の文章を読んで元気を出していました。もっと落ち込んでいる時は武田花の猫の写真集を眺めてぼんやりしてました。 それも、もう10…

数学は言葉(新井紀子)*読書日記6

結論から言うと、思ったより難しい本でした。対象となる読者は「高校で習った数学を概ね理解している」人だと思います。数1の途中で落ちこぼれた私は基礎知識が足りず、歯が立ちませんでした。 例題の数々を何度も何度も読みながら論理を追うのは骨が折れま…

偶然の祝福(小川洋子)*読書日記5

この間、『よるねこ』を読んで物足りない気持ちになったので、続けて『偶然の祝福』を読みました。「怖さと幻想味」への欲求がほどよく満たされました。 偶然の祝福 (角川文庫) 作者: 小川洋子 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2004/01/01 メディア: 文庫…

よるねこ(姫野カオルコ)*読書日記4

随分前に購入して放っておいた本。今日は雨降りで、なんとなくだるく、何もする気になれないので読んでみました。調べたら四年前に購入した本だったことがわかりました。 grisella.hatenablog.com 「ホラー小説」ということで売ってたみたいですけど、これホ…

君のいない食卓(川本三郎)*読書日記3

本が売れたので発送前に読みました。 君のいない食卓 作者: 川本三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2011/11 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログ (4件) を見る 多分、読まずに積んだままにしていた本です。梱包紙やハサミ、糊などが散…

ヘウレーカ*読書日記2

読み始めたのは『πの話』のほうが先でしたが、読み終わったのはこっちが先。正月に実家に帰ったら下の弟が帰省してました。そして帰り際に「これ姉ちゃんにやるよ」と、『ヘウレーカ』をくれました。 ヘウレーカ (ジェッツコミックス) 作者: 岩明均 出版社/…

 『πの話〜岩波科学の本12』(野崎昭弘)*読書日記1

今年最初の一冊はこの本です。先日の日記に書いたように、子供時代に歯が立たなかった本。古本屋で入手したので大人になって再チャレンジです。 著者は中学生に向けて書いたようですが、この内容がわかる中学生は相当優秀だと思います。数学が大の苦手な私は…

読書日記*「天城」(横光利一)とか

先日日記に書いた「日本短編文学全集」を持ち帰って「天城」を読みました。ちょっと突飛かもしれないけど、江川達也の「東京大学物語」を連想してしまいました。全然たいしたことない日常の瑣末なことを大げさに延々と考察するところが似てる。 巻末に丸谷才…