元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

「結婚の条件」(小倉千加子)「幸福論」(小倉千加子、中村うさぎ)*読書日記12

ゴールデンウィーク中に本を読もうと思って、図書館でいくつか借りてきました。読みたかった本のほとんどが蔵書になかったのでリクエストを出してきました。連休中に間に合うかしら。「リクエスト」というのは、他館に照会して取り寄せるか、新規購入をしてくれる制度です。リクエストをすることで、図書館にも住民のニーズが伝わるので、もっと多くの人が、この制度を活用すればいいのにと思います。

 

『結婚の条件』と『幸福論』が借りられたので、さっそく読んでみました。

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

 

『結婚の条件』は、全然おもしろくありませんでした。これ読んだら結婚したい人の気持ちが少しは分かるかもと思ったけれど(まあ、そういうことだろうな)と想像できることしか書いてなかったです。

 

二十年近く前に出版された本なので、具体例として挙げてある事象も古く思えました。高卒、短大卒、大卒に分けて、結婚への意識の違いを書いてありましたが、「短大を卒業して優雅なOL、専業主婦暮らしをしたのち自己実現のために再就職する」層は、私(五十代)の世代まではかろうじて存在していても、今は滅びつつあるように思います。

 

実際、幼児教室講師をしていた頃、「短大卒、自己実現系」の人は年配の講師に多く、私より下の世代には少なかったです。というか、今は求人を出してもなかなか条件の合う人が集まらないようでした。そりゃ少ないコマしか持てないうえに、授業準備時間は無報酬なんてブラックな仕事は、将来ある若者に敬遠されて当然でしょう。

 

とにかく、どのエピソードを読んでも「だから?」 としか思えませんでした。わたしがいま読む意味はなかったです。

 

幸福論

幸福論

 

『幸福論』は、中村うさぎとの対談です。お互いの意見が違っても、相手を否定することなく、なんとか理解し合おうとする様子が、読んでいて心地良かったです。

 

本文中、「幸福に打ち震える体験」の有無を巡って、自身の体験や考えを披露する場面があります。中村うさぎが、「そういう体験は私にはない」と言い切るのを読んで、生真面目な人だなあと驚きました。彼女が「幸福に打ち震える」という言葉を重く捉えすぎているのか、小倉千加子が気楽に口にしすぎているのか…二人が、お互いの体験を交えて話し合うものの、会話がかみ合わないのがおもしろかったです。

 

本書では、他者との関係において、一見、小倉千加子が楽観的、中村うさぎは悲観的に見えます。しかし、それは、中村うさぎが、自他について生真面目に考え、大きな期待を抱いていることの裏返しに思えました。いや、ほんと、こんなにピュアな人と思わなかったなあ。

 

tokyojoshi.com

この記事、いつのものか分からないです。2011年には「東京女子プロジェクト」自体が休止してるっぽいので、かなり古そう。内容はおもしろい。