元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

着物のリメイクやってみた

弟から母の着物を整理してほしいと言われた。でも、今残っている着物は数年前に母と一緒に整理した時、処分する決心がつかなかったものばかり。母自身はもう関心がなくてどうでもよさそうだが、私に捨てることができるか自信がない。最悪の場合、全部引き取って保管する事になりそうだ。

 

いっそ普段着っぽい着物をリメイクしてみようかと無謀なことを思い立った。信じられないくらい不器用なのに。最初、リメイクを教えてくれるところがないか探してみた。でも、「教室の全員が同じ課題を作る」ところばかりで、「こういうのが作りたいんだけどどうしたらいい?」に応えてくれそうなところは見つからなかった。意外だった。昔、母は和裁や洋裁を習っていたが、もう少し自由度が高かった気がする。考えたら、同じ住宅地内の仲良し主婦が集って、上手な人が初心者に教えていた感じだから、教室というより同好会みたいなものだったのかも。専業主婦が減った今はそんなサークルも減ってるんだろうな。

 

仕方ないので、本屋でリメイク本を買ってみた。まず最初に買ったのはこれ。

表紙の写真が手持ちの道行と似ていて、こういう感じのが作りたいと思ったので。でも、結局この本は使わないまま。よく読んだら道行をほどかずに表紙と同じものを作るのは無理だった。襟元の形が違うから当たり前。そして、掲載作品に(モデルが着てるからかっこいいけど、普通のおばさんが着るのはハードル高い)と思うものが多かった。なにより、長年しまいこんでいた着物は裏地が黄ばんでいたり虫が喰っていたりで、そのままほどかず洗わずリメイクするのは抵抗ある……買ったあとで気づくなよという話。

 

この本を買ったまま何もせずに放置すること数ヶ月。これじゃいかんということで性懲りも無く何冊かまた買ってきた。古本も含む。あまり安く売ってなくて、着物のリメイクが流行ってるのかなと思った。

著者は、着物リメイク界隈?ではけっこう有名な人みたい。YouTubeチャンネルもあり。年配の人(私もだが)がよく着てるゆったりしたシルエットの服が多い。作るとしたら表紙のスカートか掲載作品のコート。

 

 

『古きもので作る〜』よりも「極上まいにち服』の方が全般的に難易度高そう。その分、普通?の服。裏表紙のスカートと掲載作品中のフレアワンピースなら作れる気がした。

 

見て楽しいので購入。キモノリメイクって野暮ったいのが多いけど、この本のセンスは好き。でも同じようなの作ろうと思っても無理だなと思った。違う布地だと全然雰囲気違ってしまいそう。センスないと無理。

 

題名に嘘はなく、買った本の中で一番簡単に作れそう。直線断ち直線縫いの、ごくシンプルなデザイン。この作者もyoutubeチャンネルやホームページ持ってる。←今や当たり前か。

 

最初の一着は、これを見て「ワイドスカート」を作ることにした。手持ちのうち、これはもう着ないな〜という一着を、まず解いて(1時間以上かかった。結構大変。)洗って(浴槽にお湯ためてアクロンで洗った。押し洗い)干して(かなり場所取る)アイロンかけ(この時点で、虫食い相当箇所発見)裁断、虫食い補修(裏から補修布をアイロンで貼った)。

 

ちくちくする布地なので裏をつけたのがちょっと手間だったけど、直線縫いだしウエストはゴムだし思ったより簡単……のはずが、前後ろの中心に取ったタックが綺麗に仕上がらない。何度やり直しても左右が同じように広がらない。とうとう諦めて前のタックはほどいてしまった。ほぼギャザースカート。で、できあがったのがこれです。

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着用して夫に見せたら「なんかマーサおばさん?みたい」……それ誰? まあ、言いたいことはわかる。赤毛のアンのマニラとかが着てそうな、ぼわっとした長いスカート。「ワイド」スカートは細身の人が着てこそシルエットが綺麗。わざわざ半幅分2枚を足して6枚剥ぎにせず、反物幅4枚にすればもう少しすっきりしたし、端の始末がいらないから作るのも簡単だった。後悔。ウエストきついと嫌だなと思って緩めにしたのも悪かった。ゴムを詰めたら、少し良くなったと思う。まあ、家で着る分には問題なし。

 

余った生地で、もう一着作ることにした。今度も『いちばん簡単な〜』本より「あわせスカート」二つの布地をそれぞれスカートの形(片側にスリットを入れる)に縫って合わせたスカート。黒い布は手芸店で買った洋服地。丈が足りなくて一部布を継いでいるが上からセーターとか着たら分からないし外に着て行かないからいいや。

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スリットめくった中はこんな感じ。虫食いがあって裏から補修している。前部分だけ八掛みたいに裏つけてもよかったかな。黒いスカートの見えない部分にもスリットが入っているので動きやすい。

 

元々は、別の着物と組み合わせようと思っていたが、そっちも柄物だったので合わない気がして黒地にした。でも出来上がってみると、なんか思ったより民族衣装っぽい色遣いに。これなら当初の布地でも良かったと思ったり、同系色かベージュにすればよかったと思ったり。

 

器用じゃないと普段着しか作れない。正絹の着物をリメイクしても自宅で洗えない(でもないのか?)し、クリーニング代出しても惜しくないレベルの服を作る自信はない。とはいえ、作るのは楽しかった。苦戦したし部屋着にしかならんけど。洗濯機でザブザブ洗って日常的に着てる。

 

今度はもう一着ほどいた着物で、チベタンスカートというのを作る予定。「暮しの手帖」2020年夏号に作り方が載っていると分かったので該当号を入手した。下準備と裁断は終わっているので近々取り掛かるつもり。

 

www.kurashi-no-techo.co.jp

 

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着物を整理したのはかなり前だった。