元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

弟がやたらと本をくれる

最近、弟がよく本を読むようになった。子供の頃は全然読まなかったのに。不思議。そして読み終えた本を私にくれる。私が多読速読だった頃しか知らないので、姉に活字を与えれば喜ぶと今でも思っているようだ。彼の読書のスピードが早いので、未読の本がどんどん溜まっている。実家に行くたびに「あの本どうだった?」と聞かれて「まだ読んでない」と答えてばかり。

 

コロナの後遺症として「ブレインフォグ」が知られるようになったが、私は長年これに悩まされている。最近かなり回復してきたものの、積極的に本が読みたいと思えるほどではない。スマホでだらだらとネットを見るばかりだ。このままだと弱る一方だし、弟の好意を無にするのも悪いし、リハビリをかねて少しずつ読んでいる。

 

以下は、弟からもらって読了した本。(読み返したら辛辣すぎたのでちょっと手直しした…けど変わらず辛辣かも)

 

 

読み始めは文体もストーリーもいい感じだったのに、読み進めるうちに粗雑になっていって、どう話を畳むのか不安になった。結局、「これはないわ〜」とがっかりする結末だった。登場人物が多いのに掘り下げ不足で魅力が足りない。賞を取ったのには「この出来で?」とびっくり。アステカの神話を背景にして書くなら、元麻薬王のバルミロと少年院出の少年コシモに焦点を絞ったほうが「血と暴力の物語」が際立ってよかったのでは。麻薬組織や臓器売買についてかなり取材したようだが、それを全部盛り込んでも傑作にはならない。書き方によっては幾つもスピンオフが生まれただろう題材をこんなふうに消費するのはもったいない。

 

 

『テスカトリポカ』と二冊一緒に貰った。「『黒牢城』のほうが断然おもしろい」というのが弟の感想。夫も「これはよく書けてる、賞を取って当然」と珍しく褒めた。でも歴史物が苦手な私には向かなかった。ミステリ仕立てになっているが、謎が解けても(あ、そうだったのか!)感がない。特に一話目は昔時代物で同じトリックの短編を読んだ記憶がある。若さま侍か半七かその辺りだったような。史実をバックボーンにして、しっかりと構築された作品だとは思うが、ストーリーにも謎解きにもあまり魅力を感じなかった。『テスカトリポカ』のほうが後半のがっかり度を差し引いても好き。私がストーリーよりも雰囲気や文体を楽しむ派だからかな。

 

 

弟は「主人公が出張するくらいで特に何も起きない。我慢して読んでたけど耐えれんで途中で読むのやめた」そうだ。確かに淡々とした文体で淡々と物語が進んでいく。「数々の批判や難局を乗り越え、この国の未来を討議する場、国会議事堂の建設へと心血を注ぎこんでいく」主人公を描いているわりには起伏に乏しい。主人公自身が感情をあまり露わにしないし。だが、そこがいい。明治の建築にまつわる話というのが興味深いし、全体に漂う静かな空気感もいい。読書スピードが遅いので何日もかけて少しずつ読んだが、そういうペースがこの本に合っていたのかもしれない。

 

 

弟お勧めの一冊。穴太衆という存在が興味深かったし読後感もすっきり。たしかに面白かった。ただ、主要登場人物全員が善人なのが物足りない。もっと憎々しげな敵役とか出して欲しかった。そして、これは上の三冊にもいえることだが、とにかく長い。ここまで詳細に説明する必要がある? 読者が読み物に求めるものが昔と変わっているのかなあ。

 

 

データサイエンスで解いてる感はあまりなかった。鏡に関する記述が多くてくどい気がしたが、夫に聞いたら「畿内説の根拠は三角縁神獣鏡の出土だけだから、どうしてもその話になる」と言ってた。読む前から北部九州説はゆるがないと思っていたので、まあそうやろなという感想しかない。

 

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とりあえず嵩張る本から読んでいっている。文庫本五冊は未読。「もう要らんから。古本屋に持って行き。早く読んだ方が高く売れるよ」という弟のアドバイスに従って、読んだものから新古書店に持ち込んでいる。売れたお金でトマトを買って実家に持って行ったら母が喜んでいた。

 

無人島に生きる16人』は、ちょっと前にはてなで話題になっていたっけ。

 

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