元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

実家の箪笥の中を片付けた

実家に行って着物類が入った箪笥を開けてみたが、やはりめぼしい帯はなかった。普段使えそうなのはこれ一つだ。

 

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かなり使ったみたいで傷んでいる。外出時に使ってよいレベルなのか分からない。

 

着物も思ったより少なかった。あとは小物類少々と未使用の帯芯や中途半端に残った反物、作りかけの帯や替え袖、そして端切れが山のように入っていた。母は手芸全般が得意な人だった(過去形なのが悲しい)ので、何かに使えるかも……と取っておいたのだろう。雑多な布の切れ端が乱雑に詰め込まれていた。

 

箪笥は処分予定なので、帰宅後、着物用の桐箱とたとう紙を注文。後日、それを持って行って片付けた。金具が錆びてボロボロの和装バッグやシミだらけの肌襦袢、古いたとう紙などを捨て、比較的綺麗な布類は他の箪笥に移した。移す側の箪笥も整理しないと入らないわけで、45リットルのゴミ袋がいっぱいになった。当面着る機会がなさそうな黒羽織や私にすら地味過ぎる着物、礼装用の帯、小物などは桐箱に入れてウォークインクローゼットの棚に置いた。

 

ぐしゃぐしゃの端切れの類は全部自宅に持ち帰り、捨てるものと取っておくものを選別した。褪せて生地も薄くなった黒留袖と傷んだ礼装用の帯一本は、実家で捨てるのがはばかられたので持ち帰って捨てる方に分けた。捨てるものが45リットルゴミ袋二つ分になった。取っておくことにした生地はすべて洗って干した。替え袖や洋服へのリフォームに使えそうな着物地は手洗いしてアイロンをかけた。帯芯は漂白したらそこそこ綺麗になった。残した物をどうするか母に見せて聞いたら「もう要らない」と言ったが、捨てるのはためらっても人に差し上げられるようなものではない。とりあえず自宅に置いている。不器用な私でも何か作れるといいのだけど。

 

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残した布の一部。何かに使えるかなあ…。

 

手元に残した着物類は全部で8枚。付け下げ1、江戸小紋1、染めの小紋2、銘仙 (←間違いで紬でした)2、羽織1、喪服1。喪服は対の長襦袢と共にクリーニング(兼悉皆屋)に出した。あとで実家に戻すつもり。銘仙 紬の片方はしつけがついたままで、他の着物よりサイズが大きい。母が和裁の稽古で縫ったのだろうか。それ以外は、おそらく数十年誰も着ていない祖母の着物だ。私や娘が着るなら手入れ代は出すと母や弟が言ってくれたので、広げてみてシミや汚れがあるものはクリーニング屋に持って行った。

 

着物が綺麗になったとして私が着るには微妙に小さい。クリーニング屋によれば「着ておかしいほどではない」そうだが。さすがに仕立て直し代まで出してもらうのは気が引けるので、とりあえずこのまま置いておくことになりそう。ここまで手間とお金をかけたのだから、着てみなくては。まずはしつけを取った銘仙紬で練習しようと思っている。

 

 

持って帰った着物の一枚は衿が擦れて白くなっていた。外から擦れが見えないように上下反対に付け直してある。祖母のお気に入りの一着だったのだろう。本来、掛け衿は汚れたら替えるためにつけていたそうで、時代劇などを見ると、上に貼った画像のようにそこだけ黒い生地が使ってあったりする。それなら傷んだ掛け衿を別布に変えてもよさそうな気がするが、そんな着物を着ている人は見たことがない。おはしょりも常に端折ってるなら最初から対丈で良い気がするのに、今だにわざわざ長く仕立てるのが不思議。着物が日常着ではなくなったので、古い習慣が廃れずそのままなんだろうか。