本が売れたので発送前に読みました。
多分、読まずに積んだままにしていた本です。梱包紙やハサミ、糊などが散乱した床に座って一気に読みました。題名の「君」は癌で亡くなった著者の妻のこと。ですから「亡き妻との食事にまつわるエッセイ集」かと思いました。実際、その思い出が多く語られています。でも、それだけではなく、著者が幼い頃から今に至るまでの、食に関する様々な記憶を書き留めたものでした。
一編一編が短く、数ページしかありませんが、どの話もしみじみとして、こんなふうにせわしなく読むのがもったいない気がしました。老境に至った著者が、今まで口にしてきた食べ物の思い出を振り返っていくのですが、その筆致が淡々としながらも滋味深いです。
ただ、これは単なる私の偏見で何の根拠もないけれど、こういう文章を書く方は、実際に会ってみると相当偏屈な気がする。奥様はけっこう手を焼いていたのではないかな。天国で(何を愛妻家ぶってるのかしら)って笑ってるかも。
- 作者: クレール・H・ビショップ,クルト・ヴィーゼ,かわもとさぶろう
- 出版社/メーカー: 瑞雲舎
- 発売日: 1995/10/26
- メディア: 単行本
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「川本三郎」と聞いて私が一番に思い浮かべるのは、この絵本です。もともとは、石井桃子訳で岩波書店から出版されていました。岩波版は現在流通していません。
読んでないし見てませんが、著者の自叙伝的な作品みたいです。なんか興味本意で読みにくい。人が死んでるわけだし。