元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

着付けの稽古 その1

今週のお題「練習していること」

実家から着物と使えそうな小物を持って帰ったので、とりあえず、写真のセットで着付けの練習をすることにした。

 

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この着物を姑に見せたら「銘仙かねえ」と言われた。銘仙……もっと派手で大胆な柄のイメージがあったが、こういうのもあるのかな。しつけがついたままだったし、他の着物より少しサイズが大きいので、母が仕立てたのだと思う。全体につるっとした手触りなのに、ところどころ黒い粒みたいな引っかかりがあるのは、くず糸を使っているため? 銘仙は随分昔に廃れたそうなので、祖母の着物を仕立て直したのだろうか。もう母に聞いても分からないだろう。

(追記:後日、悉皆屋に聞いたら、紬だそうです。銘仙じゃなかった)

 

帯は母手製の作り帯。8年前、一緒に着物の整理をした時、雑誌「七緒」に載っていた作り方を見せて「着付けの練習するからこれ作って」とリクエストした。「できたよ」と見せてくれた時に着付けを習っておけばよかった。一緒にあれこれやっていれば、もう少し早く認知症に気がついたかもしれないし進行も遅くなっていたかもしれない。後悔先に立たずだ。

 

下に着る肌襦袢は、たしか姑がくれたもの。伸縮性のある包帯で紐が作られている。実家から持って帰った別の肌襦袢はポリエステルの袖(「うそつき袖」っていうやつ?)が付いているが、柄が気に入らないし衿がついていないので、今度自分で袖を付け直して使おうと思っている。裾除けは新しくスカートタイプのものを買った。

 

 

小物を揃えて着付けをやってみたが全然うまくいかない。肌襦袢を着て(長襦袢は省略)、着物を羽織り、腰紐で締めておはしょりを整える。ここまでは、まあなんとかやれた。でも、そこから先が難しい。作り帯なんだから簡単、5分で完成!のはずなのに、どうにもうまく行かない。いろいろ動画を見てみたが「お太鼓を乗せるために小さなタオルを丸めて背中の帯に差し込みます」→体が硬くて動画みたいにひょいっと置けずに体をよじってむりやり押し込む。「そこにお太鼓を乗せて帯枕の紐、帯揚げを結びます」→乗ってるんかな?よく分からない。紐をぎゅっと結んだ時点でお太鼓の形が変。なんか崩れてる。強近視なうえに老眼なので鏡で後ろ姿を見てもいまいち細部が見えない。老眼鏡と近視の眼鏡を掛け直しながら、鏡を見たりスマホで動画を見たり忙しい。

 

もう一度、「七緒」に載っていた帯の作り方図を見ると、お太鼓の下の部分が縫い留めてある。母が作ったものは縫ってない。作りかけ? と思ったが、もう一つの作り帯も同じ状態なので「必要ない」と判断したようだ。どうする? 縫ってみる? これ、帯を結んだ時にほんとに見えないのかな?

 

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隣に住む姑に助けを求めたら「別に留めんでも結べるやろ」と、ちゃちゃっと仕上げてくれた。「手」の部分(帯の片方の端。お太鼓の中に差し込む部分)を帯締めで押さえるみたい。「でも、お太鼓はもうちょい上がいいよ。金具みたいなの持ってない?」と言われた。こういうのか?

 

 

結局、週末、姑が暇な時に、一式持って行って習うことにした。どうしても自分でうまくできない時は、どこを縫ったら結んだ時に見えないのか、姑に確認して縫い留めることにする。あ〜不器用な自分が憎い……。とりあえず今日のお稽古はおしまい。

 

 

姑は、着付けの仕事もしていた人です。でも、数年前、娘の振袖の着付けはもう出来ませんでした。手順が思い出せず困っているのを見て、頼んで申し訳なかったと思いました。妹に話したら「うちの子(娘より少し年上)の時は時間はかかったけどまだ出来たのに」と悲しんでいました。姑が出来なかったことを忘れているのが救いです。今でも着物の話をすると喜ぶし頼りにすると張り切るので、しばらく着付けの稽古に付き合ってもらおうと思っています。