元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

エリック・カールの動物さんぽ―19のショート・ストーリー*読書日記22

(読書日記はネタバレは全く気にせず書いています。ご注意ください)

 

今年、エリック・カールが亡くなって、『Flora and Tiger 19 very short stories from my life』という本のことを思い出した。作者自身が体験したことを、思い出すままに書き留めたエッセイ集だ。動物や昆虫、友人や家族が登場する十九篇の短いエッセイが収められている。

 

いつこれを買ったのか覚えていないほど昔から持っている。平易な文章なので辞書を引けば読めるはずだが、なんとなくおっくうでそのままになっていた。今回読まなければ、もう読み終えることはなさそうな気がしたので、新しく日本語版も買って、不明な点をすぐに解決できるようにしたうえで読むことにした。

 

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題名になっている「Flora and Tiger」は、亀のフローラと猫のタイガーの話。父方の祖母と共にニューヨークからドイツへ旅してきた亀のフローラ。ドイツにある祖父母宅の広い庭で飼われることになる。そこはアンゴラ種の猫、タイガーの家でもあった。フローラとタイガーは仲良しに。でもある秋のこと、祖母がフローラを冬眠させようと探しても見つからない。翌春、祖父が庭を掘り返しているとフローラが寒さに耐えかねて死んでいるのが見つかった……こうやってまとめると暗い話のようだが、淡々とした筆致なので読後感は悪くない。 

 

知らない単語やうろ覚えの単語を拾い出しながら読んでいったが、「grub 幼虫/地虫  centipede むかで larva 幼生  weasel イタチ  chipmunk シマリス  hornet スズメバチ  sapling若木  ledge 岩棚 sycamore アメリスズカケノキ/プラタナス  hemlock 毒ニンジン/毒ゼリ」と生き物や自然に関するものが多く、興味深かった。

 

豊かな自然の中で、生き物を愛する家族と共に過ごした日々が、細やかに描かれている。一日に一篇、二篇と読んでいったが、そうやって少しずつ味わいながら読むのにちょうどよい本だった。

 

 

作者は、このエッセイ集を「年長向けの本を」「realな本を」という声に励まされて書いたと言っている。上に紹介した「Flora and Tiger」もそうだが、死や別れがさらっと書かれているし、特別なオチがない話も多い。幼い人よりも大人の方が、読んで感慨深い本だと思う。

 

 

出来が悪い学生だったので、大学の授業で英語のテキストが決まると、まずは本屋で翻訳本を探したものだ。ところが、(ここはどう訳すんだろう)と思う箇所に限って、訳本を見ても納得できる訳になっておらず悩むことが多かった。今回は単位がかかっているわけでもないし、逐一付き合わせたわけでもないので、たまに(あれ?)と思うことはあっても、それほど悩まず楽しく読めた。ゆあさふみえさんの訳は読みやすかった。

 

 

 

子供が小さい頃、「はらぺこあおむし」のビデオを買って何度も見た。色鮮やかで楽しくて、本当に大好きだった。