七月中旬、今シーズンのトマト栽培が終わったので仕事を辞めた。姑だけではなく実母も認知症気味で、今までもそのケアのため突発的に休むことがあった。今後はよりそういった事態が増えて職場に迷惑をかけそうだし、加齢により自身の体力も落ちてきて、そろそろ潮時かなと思ったので。
一番最初に専業主婦をやったのは出産後の数年だ。あの頃は若く未熟だったうえに生活が激変したせいで、田舎の主婦生活は本当にしんどかった。家事、育児、親戚付き合い等、どこまでやればいいのか分からず、ストレスフルな毎日だった。第一子がめちゃくちゃ手のかかる子だったのも大きい。
今回は、「もう五十代後半だから、ほんの少し早めに仕事をやめただけ/今までやることはやってきた」という気持ちなので、あの頃とは違って専業主婦生活を楽しめるのではないかと期待している。
仕事を辞めて、夫の弁当作りを再開した。他にも、デイサービスをサボりがちな実母の送り出しや実家の掃除、なにかと体調を崩しやすい姑の病院の付き添いなど、今までやっていなかった雑事が増えている。専業主婦は家庭のバッファなんだなと思う。
若い頃は、「本当に今、これを優先してやるべきなのか? それだけでいいのか?」という焦りがあって、追い立てられるような気持ちでそれらの雑事をこなしていた。焦っても仕方なかった、もっと気持ちを楽にもって、そのことに専念すればよかった…という後悔もあるが、それは若い私には無理だった。今そう思うのは(いまさらキャリアがどうこうという年でもないし)という諦めと裏表なのかもしれない。
今は、時間のやりくりをしながら穏やかに暮らす日々が、気に入っている。まだ始まったばかりのこの生活が、いつまで続くか分からないが、無理せず怠けず楽しんでいこうと思っている。