元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

古本屋「珍竹林」再訪

ある作家の本を読みたくなりました。かなり昔の人で、kindle版しか流通していないし、ブックオフみたいなチェーン古書店だとまず見かけないため、北九州市八幡西区の古書店「珍竹林」まで行ってきました。(一年前にも、ここへ行ったことを書きました。)

 

www.grisella.jp

 

前からジャングルのような店でしたが、いよいよひどくなってました。もう本の整理をするのは諦めたのかなと思ってしまうほど。黒崎店が健在だった頃は(私が通ってたのはもう30年前!)まだ、本棚の本はきちんと並んでいたし、その前に積んである本にもそれなりの秩序があったのに、今はもうぐちゃぐちゃです。客が悪いんでしょうが、乱雑に置き直したせいで、本が斜めになって歪んでいたり、中には表紙が折れているものも。悲しくなってしまいました。

 

目当ての本を自力で見つけるのは難しく、店の方に聞いても分からず。だいたいのジャンル分けがあるので見当をつけて探すものの、本棚の前に積んである本が多すぎるうえに、置き直すスペースもなく、その領域を全部確認するのは難しかったです。ざっと見た範囲、私が読もうと思っていたジャンルの本は、すでにめぼしいものは売れてしまって、ちょっと前に売れ筋だった作家の文庫本が何冊もだぶって並んでいるようでした。それでも、欲しかった作家のアンソロジーを一冊、店内をうろうろとみて回りながら、その他何冊かを買って帰りました。

 

「来るたびにひどくなってないですか? レジ周りとか、もう古本屋じゃないですよね。本以外がすごい量。直方市の「肉のびっくり市」でフリマやってるけど、あそこと似た雰囲気を感じるなあ」と、会計の時につい言ってしまうと、「あ、あそこの市に出してるんですよ」と首をすくめて笑ってました。「ぜひ、来てくださいね」って。

 

「びっくり市」のフリーマーケットは一度だけ行ったことがあります。文字通りの「がらくた市」でおしゃれ感はゼロです。雑多なものが売ってあって楽しいのはすごく楽しい。店主は古本売るよりもそっちのほうがおもしろくなってるんじゃないだろうなあ。古道具屋へ変貌していっているようで若干の不安を覚えました。

 

 

ムツゴロウの結婚記 (文春文庫)

ムツゴロウの結婚記 (文春文庫)

 

 

このあいだブログで触れた「ムツゴロウ」シリーズ、全巻揃ってました。おせちの件はこれに載ってました。鍋にして食べたのではなく、お雑煮にいれたのだということがわかりました。

 

だが、翌日のぞうには天下の美味であった。オセチ料理をほぐして入れ、ミカンを浮かべた澄まし汁に焼いた餅を落としたものだったが、私たちは正月になる度にこのぞうにを思い出してる。そして以後、あれほどうまいぞうにを食べたことがないと言ってうなずき合うのである。

(「ムツゴロウの結婚記」P198〜199より)

 

在庫が少しでも減って、店内が片付きますように。焼け石に水だけど、この一冊も購入して帰りました。