個人的な覚書です。小学校編、思春期編、と書いていこうと思ったけど、いろいろと恥ずかしい記憶も蘇ってきそうなので、幼年編だけにしておいたほうがいいかもしれない。
1 わたしと あそんで
記憶に残る一番古い愛読書はエッツの『わたしとあそんで』です。母と祖母が「なんて可愛い絵本だろう」と一目惚れして買ったと聞きました。私が物心ついた時から我が家にあります。小さい頃からの刷り込みのせいか、私にとってナンバーワン絵本といえば、これです。幼い私は、最後いろんな動物に囲まれる「わたし」がうらやましくてしかたありませんでした。日常生活の中で仔鹿と触れ合えるなんて夢の世界のお話でした。何度も何度も読みました。大人になっても時折読み返します。
エッツの静かな世界が好きで、子供が生まれてから彼女の本を何冊も買いました。
地味なモノクロ絵本ですが、息子のお気に入りでした。言葉を使わなくても身振りで気持ちは伝わるんだよという話です。
- 作者: アウロラ・ラバスティダ,マリー・ホール・エッツ,たなべいすず
- 出版社/メーカー: 冨山房
- 発売日: 1974/12/05
- メディア: 単行本
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メキシコの少女を主人公にした作品。今度は私が「なんて可愛い絵本だろう」と一目惚れしました。本文が長いので親子でゆっくりと眺めながら読む絵本だと思います。暑い季節のクリスマスやメキシコ独特の風習が興味深いです。
2 すてきな 三にんぐみ
- 作者: トミー=アンゲラー,いまえよしとも
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1969/12/16
- メディア: 単行本
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エッツと並んで今も好きな絵本作家といえばウンゲラー(アンゲラー)です。『すてきな三にんぐみ』は、愛読しすぎてぼろぼろになり、子供のために新しく買い直しました。でも古い版も捨てられずにいます。実は初版と現行本では本文の一部に違う箇所があります。
(右が古い本。サイズも少し小さいです。)
(一行目が違います。原文はどうなっているんだろう。)
小さな頃から尋常じゃなく不器用だった私が、一生懸命ダンボール箱を絵の具で塗り、三にんぐみの絵を描いて、おもちゃ入れにしていました。地色を絵の具筆の跡が残るように描き、我ながら(絵本みたい!!うまくできた!!)とうれしくてたまりませんでした。
そういえば読み聞かせの会で中学生にウンゲラーの絵本を読んでいます。けっこうヘビーな話。
オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)
- 作者: トミーウンゲラー,Tomi Ungerer,鏡哲生
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 2004/12
- メディア: 大型本
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表紙から不穏な雰囲気が漂っています。テディベアの「オットー」が自らの生涯を語るという体裁をとっています。最後がハッピーエンドなのでほっとします。
- 作者: トミー・ウンゲラー,たむらりゅういち,あそうくみ
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 1977/09
- メディア: 大型本
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『ゼラルダと人喰い鬼』は、子供が小さかった頃一緒に読んだら、ふうっとため息をついて「すっごくめでたいお話だったね!!」と言ってました。まあそうなんだけど。少しばかりブラックユーモアが効いた絵本です。
「世界絵本箱」というシリーズのビデオを先に見ました。このシリーズはどの巻もおもしろくて子供達と何度も見ました。のちにDVDも出て買うかどうか迷っているうちに品切れになってしまい残念です。ウンゲラーらしい色使いの絵本。黒が効いています。
ルーファスくんがめちゃキュート。結末もすてき。
3 ちいさいおうち
- 作者: バージニア・リー・バートン,石井桃子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1954/04/15
- メディア: ハードカバー
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「岩波の子どもの本」はカバーの見返しに本の取扱についてのイラストがついているのが気にいってました。さかさまになった本の頭(?)に血がのぼってしまうイラストだったので、今でも書店で逆さまの本があると元に戻して、ついでに棚を整えてしまう癖がつきました。何冊も懐かしく思い出す絵本があります。『ちいさいおうち』はその筆頭。ビルに挟まれたおうちをかわいそうに思い、最後にまた幸せになる姿にほっとしました。でも「建てた人の孫の孫のそのまた孫」(だったかな。)という作中を流れる時間や時代はいまひとつぴんときていませんでした。大人になって読み返すとまた味わい深いです。
4 ねずみとおうさま
抜けた歯を枕の下(だったかな?)に置いておくとねずみが来て金貨と変えてくれるという風習がうらやましかったです。(わたしのところにもねずみの「ぺれす」が来てくれればいいのに)と思っていました。六歳の幼い王様が主人公の、とても上品なお話です。
5 海のおばけオーリー
現在は「子どもの本」シリーズには入っていません。大型の絵本です。もともと無理をして小さなサイズに編集しなおしていたらしいので仕方ありませんが、昔のサイズ版が欲しいです。
6 ききみみずきん
「岩波の子どもの本」には日本のお話もたくさんありました。でも当時は絵が地味な気がしてそれほど好きではありませんでした。お話自体は楽しんでいて、『ききみみずきん』は繰り返し母に読んでもらいました。初山滋の絵は今見るとすごくいいんですが、当時は(あまり楽しい絵じゃない)と思っていました。
外国の絵本に惹かれがちな私でしたが、日本の作品で気に入っていたものもあります。『こうさぎましろのお話』はその一冊。サンタさんが思ってたのと違っていて(なんだか神さまみたいだ)と思いました。おなじみの真っ赤な帽子のサンタではなくて、神父さんのような格好をしています。作者の佐々木たづさんが『ロバータ さあ歩きましょう』の著者で盲目の方なのは思春期になって知りました。
8 おにたのぼうし
今年の節分にブログでも触れた作品です。節分の絵本『おにたのぼうし』
とても切ないお話。読んだあと泣きたい気分になってしまいます。でも好きでした。
9 かたあしだちょうのエルフ
自己犠牲の話というよりジャングルってこういう世界なんだな〜と思いながら読んでました。絵に迫力があり、切ない話だけどめそめそした気分にはなりません。
10 りゅうのめのなみだ
『おにたのぼうし』も『りゅうのめのなみだ』も、母がいわさきちひろの絵が好きで買ったのだと思います。浜田広介は苦手な作家ですが、この絵本だけは好きで今も持っています。印刷ミスで1ページ文章が抜けていて母の字で本文が書き込まれています。
(子供に読ませるためではなく、母が読んでやるために書いたと思われます。)
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こうやって書き出してみて、どの絵本も現在流通しているので驚きました。絵本の寿命って長いんだ。(これはさすがに今はないよね)と検索した「ねずみのほん」シリーズも、現在品切れでしたが、一度は復刊していたようです。
ねずみのほん
全3巻。写真絵本です。大人が見ても楽しいと思います。もう一度復刊しないかな〜。
☆番外編☆
いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう
いたずらきかんしゃちゅうちゅう (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
- 作者: バージニア・リー・バートン,むらおかはなこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1961/08/01
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小学生の頃、叔母のマンションに行ったら階段のところに無造作に置いてありました。従弟妹の誰かが読んで放っておいたのでしょう。表紙は赤が使ってありますが、中はモノクロの大判絵本で、子供心におしゃれだなあ、うちの絵本とは雰囲気が違うなあと思いました。
こいぬのくんくん
- 作者: ディック・ブルーナ,まつおかきょうこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 単行本
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8つ年下の弟にお小遣いで買ってやった絵本です。当時、私は中学年くらい。自分自身がブルーナの絵本にいつ出会ったのかは覚えていません。後年、テレビアニメを見ていたら「くんくん」はスナッフィーという名前に変わっていて、赤ちゃんを産むお話だったのでびっくりしました。「くんくん」自分のこと「ぼく」って言ってたし(たしか『くんくんとかじ』という絵本で)、てっきり男の子だと思ってたよ。
当時、本屋の店頭に金属製のくるくる回るラックがあって簡易な製本の名作絵本が置いてありました。我が家にも何冊があって、その中では『美女と野獣』が好きでした。くすんだ色で狼のような顔の野獣が描かれていました。あんまり醜くも怖くもない、むしろかっこいいと思ってました。今となっては誰の絵だったのか分かりません。漫画っぽい絵ではありませんでした。ネットで検索しても分かりません。もう一度見たいなあ。
*小学校編も書きました*
息子の愛読書はこちらです。