元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

私の好きなへんてこ絵本10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

 

娘が大学生だった頃、なにかの折に「そういえば、絵本ってへんな話ばっかりだな〜って思ってた」というので「ごめん。それお母さんの趣味。へんじゃない絵本の方が圧倒的に多いんじゃないかな」と答えると「えっ、そうなんだ〜」……小さい頃、そう思ってたという話ではなく、今も「絵本ってへん」な認識だったみたい。偏った趣味の母ですみません。

 

というわけで、私が好きなへんてこ絵本10選です。年寄りなので古い絵本が多いことは許してください。

 

1「ジョゼット ねむたい パパに おはなしを せがむ」

 ウージェーヌ・イヨネスコ作 谷川俊太郎訳 エチエンヌ・ドゥレセール絵

(英語版しかありませんでした。)

 

「ジョゼットは このよに うまれて さんじゅうさんかげつ、もう あかんぼうじゃない。」と始まります。ジョゼットのママとパパは、昨晩、人形芝居やレストランに出かけて疲れたので寝床でごろごろ。メイドが用意した朝食も食べません。ジョゼットはメイドと一緒に食事をすると、また寝室へ。昨晩うかれすぎてくたくたのママが眠っている間、パパがお話をしてくれます。

 

「あるとき ジャックリーヌという なまえの ちっちゃな おんなのこが いました。」ジャックリーヌのパパはムッシュウ・ジャックリーヌ、ママはマダム・ジャックリーヌ、妹2人の名前もジャックリーヌ、いとこも、おじさん、おばさんもみんなジャックリーヌで……。

 

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(本文中の1ページ。お話にサイは登場しないけど、イヨネスコの「犀」へのオマージュ?)

とにかく不条理。特にオチなし。絵がどことなく怖い。読んでて頭がぐらぐらする。でもおもしろい。

 

2「ストーリー ナンバー 2 ジョゼット かべを あけて みみで あるく」

 ウージェーヌ・イヨネスコ作 谷川俊太郎訳 エチエンヌ・ドゥレセール絵

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(ジョゼットは可愛いんです。本文中の絵は、時々微妙に不気味。)

  

ジョゼットは、パパの仕事部屋に行きます。電話で人と話しているパパに「でんわで おはなし しているの?」と聞くと「これは でんわじゃない」「これはチーズというんだよ。」とパパ。

 

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壁はドアで、椅子は窓、枕はパン、足は耳。そこでジョゼットはパパに習った通りに話してみます。「わたしは まくらを たべながら いすの そとを みます。わたしは かべを あけて みみで あるきます」 生まれて33ヶ月しか経ってないのに、この反応。ジョゼットは天才だな。

 

ストーリーナンバー4までありますが、私はこの2冊しか読んでません。あとの2冊は絵が別の人だし、内容もいまいちみたいなので、無理して買うことないかな。というか古書価格が高騰していて、とうてい手が出ません。

 

3「へんな どうつぶ」

 ワンダ・ガーグ文/絵 わたなべ しげお訳

(以前は岩波書店から出版されていましたが、現在は瑞雲舎版が流通しています)

 

山奥に住んでいるやさしいボボおじさんは、鳥や動物のためにいつも美味しい食べ物を用意していました。ある日、みたことのない動物がやってきて、「あんたは なんちゅう どうぶつだい?」と聞くボボおじさんに、「ぼか どうぶつじゃない。ぼか どうつぶ!」と答えます。このへんなどうつぶの好きな食べ物は「こどもたちの にんぎょう」。ボボおじさんは、人形を食べられた子供のことを思って泣いてしまいます。なんとか、このどうつぶに違うものを食べさせようと考えたおじさんは……。

 

「とても  うまいぞ  じゃむ・じるは。」というどうつぶのセリフが忘れられなくなります。しかし、ボボおじさんが作った「じゃむ・じる」ってなんだろう。作中のレシピ?を見た感じでは全然美味しくなさそうなんですが。

 

4「なんにも ないない」

 ワンダ・ガァグ作/絵 むらなか りえ訳

なんにもないない

なんにもないない

Amazon

(現在は品切れか絶版のようです)

 

古ぼけた農場の片隅に3匹の捨て犬兄弟が住んでいました。そのうちの1匹は姿がない犬でした。「のっぽでない/ちびでない/なんてことない、/なんにもない/だから名まえも ” なんにもないない" 」「なんにもないない」は、姿がなくても楽しく暮らしていました。ところがある日、女の子と男の子がやってきて、姿が見える他の2匹を連れて行ってしまいます。あとを追いかけた「ないない」ですが、途中ではぐれてしまいました。困った「ないない」に、からすが「ありやなしやのじゅつ」によって、姿を手に入れることができると教えてくれたので……。

 

「ありやなしやのじゅつ」の呪文は「てんてこまいまい ぐるぐるまいまい」。可愛い!

 

5「パナマって すてきだな」

 ヤーノシュ作/絵 矢川澄子

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(これも絶版。悲しい。シリーズの別の話は徳間書店から石川素子訳で出ています。)

 

仲良く暮らす「ちびとら」と「ちびくま」がいました。ある日、川上から空き箱が流れてきます。バナナの匂いがするその箱には「パナマ」と書いてありました。ふたりは、今住んでいるところよりずっとすばらしい、あこがれの国パナマを目指して出発します。

 

ネタバレすると、旅の最後は、自分たちが住んでた家に戻ってきます。でも「やっぱり自分ちが一番」というオチではありません。とにかく2匹がかわいくて笑えます。ただ、「ちびくまくんばっか、がんばってない?」と思ってしまう。

 

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(「ぼく、上から もちあげるから。」って、乗っかってるだけだよね?)

この作品は「ま、いいか」で終わる程度ですが、シリーズの他の作品を読むと、ちびとらくんのわがままに若干イラッとします。矢川澄子澁澤龍彦の関係と重なるような。

 

6「ムッシュ・ムニエルを ごしょうかいします」 

 佐々木マキ

 

ムッシュ・ムニエルはやぎですが、ふつうのやぎとはちょっと違って魔術師なのです。仕事が忙しいので、子供を1人さらって弟子にしようと思います。小さな瓶を取り出して魔法をかけ、その瓶にうまく少年を閉じ込めたと思ったのですが……。

 

ムッシュ・ムニエルのサーカス」「ムッシュ・ムニエルとおつきさま」と合本になったものを持っています。(今は3冊に分かれて出版されています)なんでヤギなのか、なんで魔術師なのかよく分からない。ストーリーもあるようでないような。でも、佐々木マキのカラフルな絵で描かれる不思議な世界がとても好き。

 

7「やっぱり おおかみ」

 佐々木マキ

 

ひとりぼっちのおおかみの子供が、仲間を探して街をうろつく話。俺に似た子はいないかなと思いながら歩き回り、でも、見つからない。おおかみが吐く「けっ」というセリフ、ふきだしの大きな文字が印象的。最後までひとりぼっちなんだけど、どこか清々しい。若い頃、まるで自分のことのように思えて、何度も何度も読んだっけ。

 

8「つきよ」

 長新太

 

「へんてこ絵本」の第一人者、長新太の絵本。うちの子が幼い頃は、「へんてこライオン」シリーズが人気でした。もちろん全巻買いました。2005年に亡くなり、もう新作を読むことはできません。寂しい。長新太さんの絵本は、説明っぽさがなく、余白や詩情を感じるものが多いです。「つきよ」はその代表作。

 

9「トリゴラス」

 長谷川集平作

 

真夜中に「びゅわんびゅわん」いうのは怪獣トリゴラスがやってきてるからや。そう父親に訴えても「あほかいな」と一顧だにされない。そうしているうちにもトリゴラスは近づいてきて、街を破壊し「かおるちゃん」をさらおうとして……。アホな男の子の妄想を絵本にしたような作品。なんとも愛おしい。でも、小学校でこの絵本を読んだ時、聞いてる子たちは呆然としてみえました。

 

10 「くいしんぼうのあおむしくん」

 槇ひろし作

 

ある日、まさおの帽子についていたのは、なんでも食べる青虫。最初は紙屑やゴミを食べていたからよかったのですが、そのうち家や船、まさおのパパやママまで食べてしまいます。何もかも食い尽くし、とうとう最後にはまさおまで。あおむしくんのお腹の中でまさおが見たものは……。

 

10代の頃に読んだ絵本。母が趣味で定期購読していた「こどものとも」の一冊だと思います。子供たちに見せたことがあるか覚えてません。内容は何回も話したけど。いつの間にかハードカバー版が出ていました。似たような話は多いです。思いつくまま挙げてみました。↓

 

 

 

 

 

 

こういうへんな絵本ばかりを集めているわけではなく、昔話や、長く読み継がれているロングセラー絵本も一緒に読んだはずなのですが。子供にとっては、へんな絵本の方が記憶に残るのかもしれません。

 

「ストーリーナンバー」を2冊、佐々木マキも2冊入れてしまったのはバランス悪かったな。これは各々ひとまとめにして、もう2冊挙げようかと思ったけど、とりあえず、今日はこんな感じで。そのうち書き直すかも。