前回書いた指輪のリフォームの件。
できあがりの図。
全体にシャープになった。と言ってもリフォーム前の写真がないんだけど。分かりにくいが、石を留めている爪の間の台座部分が艶消しになっている。アーム部分も艶消しにするかどうか迷ってお任せしたら、ラインが入ったようなデザインになった。ちょっと思ったのと違ったけどまあいいか。
元々は、母の姉の姑の姉…だったかな…とにかくすごく遠縁の人の指輪。たしか、母の姉が形見分けで貰ったものの宝飾品に興味がなくて祖母に譲り、それが母から私の元へきたのだと思う。今回、もう一度、母に確認したら「どうだったかねえ、もう忘れた」もはや確かめようがない。
下の写真は、今回リフォームするにあたって、アーム部分の厚みと艶消しの感じを説明するために店に持っていった別の指輪。
こちらも元は祖母のもの。石はサファイア。内包物があるため光の加減でちらちらと仄かに輝く。といっても星状の美しい輝きではなく、「あれ? なんか傷があるのかな?」みたいな感じ。宝飾品として大した価値はなさそうだが、地味なカットや華奢な作りが私好みだ。
今回作り直した指輪は、「古いデザインなので若い職人は作ったことがないでしょう。こういう型を作り慣れた人に頼みます」ということで人間国宝の職人さんが作ってくれたそうだ。デザインが好きだし貰っとくか程度の思い入れしかない指輪に数万円をかけ、わざわざ昔の形に作り直すなんて酔狂すぎたかなと少し思う。でも、人間と違って、こういうものは死なない。私が死んでも誰かが愛でてくれることを願っている。