私の生活はコロナ危機以前とあまり変わりがない。自宅と農場の往復。合間に日常の買物。あとは家で家事したり休んだり。農家の仕事はコロナ危機だろうと休みがない。トマトはどんどん成長するので。ただ農場主は、いつ販路が閉ざされるか分からないと心配している。主に道の駅などの直売所で売っているが、「観光施設」と見なされれば閉鎖される可能性も大きい。とはいえ今のところ売り上げは順調みたい。
仕事中は広いビニールハウスに数人が散らばって働いているし、私以外の人は12時で帰ってしまうから、それほど感染のリスクは高くないと思う。それでも一応、家の外ではマスクをしている。ヘルパー時代に購入した箱入りマスクの残りが、これほど貴重なものになるとは思いもしなかった。
正直、自分自身がコロナに感染して死ぬのはあまり怖くない。癌だった父は、死ぬまでの数ヶ月、相当苦しんだ。それに比べたらコロナは死ぬまでの時間が短い。肺炎死は溺れ死ぬようなもので、とても苦しいと聞くと怯むが、葬式も簡素に済ませられるし、私にとっては意外と良い死に方ではと思ってしまう。こういうことを考えるってことは、多分、少し鬱気味なのだろう。
政府の対応にはあまり期待していなかったが、それでも想像を遥かに超えた酷さで、怒りを超えて悲しみを感じる。直接コロナに罹患して死ぬだけでなく、経済的な苦境や過労、DVなどで死に追いやられる人も多いだろう。これからもたくさんの人が死ぬだろう。もしかしたら私もその一人になるかもしれないな。
アベノマクスの配給が決まった頃から、この絵本のことを度々思い出している。政府の言うとおりに行動し、最後は死んでしまう老夫婦の話。最後の最後、「麻袋に入っておくこと」という政府の指示があるんだけど、これって死体処理を簡単にするためだっていう…酷い話。
レイモンド・ブリッグズは、こういう楽しい作品も描いてる人です。