親戚の農家が、驚くほどおいしいトマトを作っている。宗像の海岸近く、砂を含んだ土壌も良いのだろう。近所のトマト農家が買いに来るほどのおいしさ。母の友人が癌で亡くなる間際、「あのトマトだったら食べられそうな気がする。もう一度食べたい」というのでお見舞いに持って行ったこともある。
今日は、そのトマトを買いに宗像市の直売所へ行ってきた。宗像といえば「道の駅むなかた」は九州一の売り上げを誇るそうだ。が、市在住の人に言わせると「あれは観光客が行くところ。近くに気軽に行ける直売所があるからそっちで間に合う」実際、市内にいくつもの直売所があるようだ。親戚が「いろんなとこに卸してるけどJA優先だから、そこが一番入手しやすいと思う」というので、「ほたるの里」へ行ってみた。
同じJA経営でも鞍手の直売所より立派。米粉パンの店も併設されていた。これは「小さな直売所」とはいえないな。野菜はほぼ地場産で、客が多く回転が早いからか、どれも瑞々しい。肉や魚も、他県産も混ざってはいるが、地場物が多い。ジャムや味噌などの加工品も多数揃っているし、苺やイチジク、ブルーベリーなどの加工用冷凍果実も魅力的。「世界遺産登録」のおかげか、地元銘菓やお土産品も以前来た時よりぐっと増えていた。私の前に会計を済ませたおばさんは、遠方から来た人だったのか「あ〜おもしろかった!」と言っていたが、それもうなずける品揃え。ただ、値段は特別安くはないと感じた。スーパーで取り扱っていない地場産品を入手できるのが魅力の店。ここでは、親戚のトマトと地場産のブロッコリー、レモンを購入。
あまりに立派すぎて「小さな直売所」欲?が満たされなかったので、もう一軒「オアシス」というところへ寄ってみた。「ほたるの里」から車で5分足らず。
こちらは(たぶん)民間経営のところで、地場物と他県のものが半々。店舗外装や陳列も洗練されているとはいいがたい。「ほたるの里」と同じ出品者がこちらにも出していた。すぐ近くが住宅地なので、歩いて立ち寄れる便利さで成り立っているのかな。市内の個人商店の品物がいろいろと置いてあって、そこは楽しかった。他県産のレンコン(花粉症シーズンなので欠かせない。「ほたるの里」では品切れだった)、「toitoitoi」というパン屋の桜アンパンを購入。
それにしても、宗像市は車社会だ。二つの直売所の間は歩いて10分ほどだが、その間には広い駐車場を備えた店が集積していて、都会とはまた違った活気がある。平日なのに、この商業地帯の中心となる「サンリブ」の駐車場は車でほぼいっぱいだった。
「オアシス」に寄ったのは「隣においしい和菓子屋があるよ」と聞いたからだが、移転したあとだった。せっかくなので、移転先まで行ってみると、想像していたのよりずっとおしゃれな店でびっくり。内装はモノトーンでまとめられBGMはジャズ。小ぶりで上品な和菓子が並んでいた。どれも愛らしい。桜餅など三つ買って帰宅。
玉露をいれて三色団子を食べた。味は……う〜ん……普通。わざわざ遠方から買いに行くほどではない。(ごめんなさい)とはいえ、良い材料で丁寧に作ってあるんだろうなとは感じた。なんのてらいもないすっきりした味。だから人気なのかも。玉露は、お茶屋推奨の「50cc当たり5g」だと私には濃すぎる。だいたい半分くらいの量で淹れている。それでも二煎目のほうがおいしい。熱めの温度で淹れる三煎目も十分いける。貧乏舌なのかなあ。
子供がいない頃、ここのお茶を取り寄せて飲んだりしてた。贅沢だったなあ。