元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

前川事務次官→『ノルウェイの森』→自分の思い出

「出会い系バーで貧困調査」なんて言うから(謝ったら死ぬ病のおじさんなのか??)と思った前川事務次官、もしかしたら本当に貧困調査なのかもってニュースが出てきて、(ゲスの勘ぐりですまんかった)と思いました。ただ、「ボランティア活動に精をだす清廉潔白な聖人」みたいな扱いはちょっと違うような。好奇心が強くて行動力がある人で、出会い系バーに行って若い子と話すこと自体を楽しんでいたんじゃなかろうか。そうだとして全然悪いことじゃないですが。どっちにしても面白そうな方なので、暇を見てインタビュー動画などを見てみようと思います。

 

前川さんの祖父は前川製作所創始者で、目白台にある男子寮「和敬塾」を設立した人だそうです。「和敬塾」って確か村上春樹の『蛍』や『ノルウェイの森』に出てくる寮のモデルじゃなかったっけ? と思って調べたらやっぱりそうでした。実際に「和敬塾」に在籍した人のブログがあって興味深く読みました。

 

東京大学(英米文学)・阿部公彦の書評ブログ : 2008年03月

 

これを読む限りでは「男子寮」と聞いてイメージする通りの体育会系のとこで、村上春樹が合わなかったのが納得できます。いや、村上春樹と面識ないんで本当はどんな人なのかは知らないし、納得するのも変な話ですが。

 

 

くちびるから散弾銃 (KCデラックス)

くちびるから散弾銃 (KCデラックス)

 

 実は、私も一年だけですが寮暮らしをしたことがあります。昭和40年代に建てられた古い建物で、周りを囲む高いコンクリート塀の上には鉄条網が張り巡らされてました。狭い部屋に二人暮らし。朝は7時前に起床して点呼のち掃除、全員で朝食、門限9時。こう書くと不自由そうですが、楽しかったです。お風呂あがりにドライヤーで髪を乾かし合いながらとめどなくおしゃべりする子や、おしゃれしてディスコに出かける子とそれを「行ってらっしゃ〜い!」と送り出す子、コンサートにどの服着ていくか悩んで洋服をずらっと並べ、お互いに貸借りする子達を(岡崎京子のマンガに出てくる人達みたいだなあ)と思いながら眺めてました。

 

寮は、生活保護を受けている貧乏な子もいれば、お嬢様なので一人暮らしはちょっと......ということで入っているらしい子もいました。障害児対象のボランティアに情熱を注いでいる子がいて、黒板に「*月*日の療育キャンプ参加者募集。希望者は何々まで」とか書いてあったのを思い出しました。彼女はお嬢様だって噂だったなあ。ボランティア活動する女の子と聞いてイメージする地味目な感じの子ではなく、明るく華やかな人でした。行動力があって大学生活をめいっぱい楽しんでいるように見えました。当時はディスコがはやっていて、その子も何人かの可愛い女の子達と一緒に連日行ってたっけ。お店の前をうろうろしたらタダ券もらえるんだよねと言ってったっけ。今はどうしてるんだろうなあ。