元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

「考える習慣」がない子

発端になった話や、話題になった話を読んで。


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前者の記事を読んだ時は(あ〜こういう子、多いよねえ)と思いました。トップブコメにあるように、「考える習慣がない子」または「考えることをやめた子」です。私が塾で教えた感覚では小学生全体の3割はこんな感じ。小学校中学年だと、こういう子でも学校の成績を見るとちょうど真ん中、場合によっては真ん中より上にいたりします。

 

後者の記事「アホの子教えるのは楽しかった」に出てくる子達は、どっちかというと「独自の思考、認識、こだわりのためにつまずいた子」や単純に「思考に時間がかかる子」です。こういう子は、教えていて大変だけれど、つまずいている箇所が見つかれば対策ができる場合も多いし大きく成果が出ることもあります。

 

「考える習慣がない子」は相当多いです。実は頭の回転が速くて要領のよい子のほうが「考える習慣」がつき難いのかもとさえ思います。例えば、小学校の算数の文章題は、最初数字が二つしかでてきません。そして習っているのは「足し算」だけです。問題を読まなくても足せば正解。次に「引き算」を習いますが、これも大きな数から小さな数をひけば正解です。このことに気がついて問題を読まずに解く子が結構います。足し算と引き算を習った後は、問題文も長くなり文意を追うのが難しくなります。今まで「文章を読んで考える訓練」をせず機械的に答えを出していた子は、足し算を使うのか引き算を使うのかがわからずつまずいてしまいます。ここで克服しなかった子は、掛け算か割り算かでもつまずくし、小数や分数の計算はできても、その文章題には全く歯がたちません。

 

算数は、他の科目に比べて、当てずっぽうや雰囲気では正解にたどりつけないことが多いです。このため「この子はわかっていない、考えていない」ということが可視化されやすいです。「この子、算数が苦手なんです。特に文章題がだめで。他の科目はそんなに悪くないんですけど」と保護者から言われることがあります。話を聞くと、他の科目は平均より上の場合も多いです。このため親子共に危機感が薄いのも改善が難しい原因です。

 

「考えないでうまくいった」経験がある子は、なかなか変わりません。「考えたのに間違った」りするとテンションが下がってやる気がなくなります。「間違うことは悪いことじゃない、むしろ分かってなかった箇所がわかるので良いこと」と何度も言葉を変えながら伝えますが、なかなか伝わらないです。そもそも考えることに慣れていないので、少し込み入った問題に取り組むと疲れてしまいます。日常生活では「考えなくても問題ない」ことのほうが多いので(なんでこんなめんどくさいことしないといけないの?)という気持ちになるようです。

 

こういう子供がそのまま大人になっているのって多いんじゃないかなあ。別に「アホの子」ってレベルじゃなくて。まあ、私も数学は大の苦手だったし思考の途中で(めんどくさ)と思うことが多いので、偉そうなことは言えませんが。

 

結論。「考える習慣」と「試行錯誤する力(間違うことは悪ではないという認識)」を小さい頃からしっかり身につけるのは大事だなと思います。