元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

ずっと探していたケーキ皿

結婚する時、実家からいくつか食器を持ってきた。花の絵が描かれたケーキ皿はその一つだ。多分、贈答品で未使用のまましまい込んでいたもの。可愛い柄だし持っていかない?とでも母に言われたのだろう。特に思い入れもなく使っていくうちに、一枚欠け二枚欠け......気がついたら一枚しか残っていなかった。一枚になってみて(どの皿も可愛かったのに。もっと大事に使えばよかった)と後悔した。

 

少し前に結婚について書いたことがある。

grisella.hatenablog.com

 

本当にもがくように生きてきた。そして雑な暮らし方をしてきた。何をするにも余裕がなかった。一枚残ったケーキ皿に気持ちが向いたのはアパートを借りた頃だった。離婚して自分だけで暮らしていこうと決めた頃。もう一度五枚揃が手に入ったら、なにか良いことがあるような気がした。一人で好きなものを少しずつ揃えてこじんまりと生きていけそうな気がした。

 

といっても、30年以上前に生産された皿。すでに現行品はなく、ネットで探してもリサイクルショップをみて回っても見つからなかった。どこかのリサイクルショップにきっと眠っているはずと思いつつ半ばあきらめていて、それでもオークションの通知メール(キーワードが当てはまる出品を通知してくる)を確認することは続けていた。

 

先日、その通知メールをなにげなくみていると、ついに見つかった。すぐにオークションサイトを開いて入札。無事落札できて昨日届いたところだ。残っていた皿と合わせて六枚。

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結局、私の一人暮らしはうやむやになった。アパートを引き払い自宅に帰っての生活も、この春で一年だ。このあとどうなるのか全くわからない。夫か私が上京して息子と暮らすという計画も息子の抵抗で宙に浮いたまま。夫の東京転勤がなければ三月には東京で就活する予定だったので、ヘルパーは年末、塾講師も先月辞めた。今は全くの無収入だ。

 

昨日、退職の手続きでヘルパーの事業所に顔を出した。「上京しないなら戻っておいでよ。いつでも待ってるよ」と声をかけてもらった。塾講師のほうも新任の頃に一緒に働いた講師から「今の教室を手伝って欲しい。本部には私から話をつけるから」と言われている。この年になってありがたいことだ。復帰するつもりはないけれど、そういう声が励みになっている。

 

とりあえず、帰省している息子と娘が帰って行き、夫の転勤先(東京行きはもうないけど)が決まったら就活開始だ。新しい仕事が決まったら、ケーキでも買ってお祝いをしよう。その時はこのケーキ皿を使おうと思っている。今度は大事に扱うからね。

 

 

どぶがわ (A.L.C.DX)

どぶがわ (A.L.C.DX)

 

 アパートで暮らしていた頃、自分の将来と重ねて読んだコミックです。

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