実家に行った時、母に「羽織から上っ張り作るのは難しいの?」と聞いてみた。私としては、以前もらった羽織を着ることもないので、簡単なら作り直したい、あわよくば母に作り直してもらおうという魂胆だった。冬にはんてん代わりに着てもいいし。なのに、なぜか「おばあちゃんの着物がいっぱいあるのよ〜」とタンスをがさごそしだして、「二着あるからどっちか持って帰って」......いや、上っ張りが欲しいわけじゃないんですが。ついでに「あんたの家のほうが修理できる店が近いから。修理代もたいしたことないって」と切れた鼈甲のネックレスも出してきた。
正直たいして欲しくなかったけど「親が家の整理ができるくらい元気なうちに、ちゃんと手伝ったほうがいいよ。もっと弱ると自力で片付ける気力や体力、判断力がなくなるし。」と職場の先輩から忠告されていたので、素直にもらうことにした。母は昔、和裁を習っていたことがあり、その頃呉服屋からもらった大きな風呂敷をたくさん持っている。使うこともないしランチョンマットやコースターにでもする、というので、そのうち2枚を譲ってもらった。かなりしっかりした布で、(こういうのの経費も呉服の値段に上乗せされてるんだろうなあ。そりゃ着物が高いはずだ)と思ってしまった。大事に使わせてもらいます。
上っ張りはたぶん祖母が自分で縫ったもの。柄がいかにも祖母好みのもので懐かしかった。衿の下あたりの裏地(ここのことなんていうんだろ?)も可愛らしい。秋になったら着てみますかね。ネックレスも修理に出すとしますか。