出勤したら、テーブルに小さめの荷物が届いていた。中身は西洋マルハナバチの巣箱だった。覗いてみると大量の蜂がぶんぶんいっている。花粉と砂糖水が同梱されていた。人手が少なくトマトの受粉作業が大変なので、蜂の助けを借りることにしたそうだ。製品説明に「農業先進国イスラエルより空輸」と書いてあって驚いた。遠いところから来たんだな。ハウス内に巣箱を設置したらさっそく飛び回って花粉を集め出した。丸っこくて可愛い。
どれくらい生きるのだろうと思ったら、長くて三ヶ月程度らしい。使い捨てなんだ。かわいそうな気がした。最近では、「特定外来生物」とされ、在来種の利用が推奨されるようになってきたという。(参考:セイヨウオオマルハナバチ | 日本の外来種対策 | 外来生物法)
世界には250種類のマルハナバチがいて、そのうちかなりの数が絶滅危惧種らしい。従弟の話によると、「山の中に蜜蜂用の巣箱を置いてる知人がいるけど、昔に比べて相当減っていると言ってた」そうで、マルハナバチに限った話ではないようだ。「蜂だけじゃなくて虫全体が減った。怖いくらい。春野菜に農薬を撒かなくてもよくなった。」とも言っていた。
息子が赤ん坊の頃、全然まとめて寝ない子だった。外に出てあやしていたら夜が明けることも度々あった。家の周囲一面が田畑だったので、日が昇ると田畑の上が霞のように虫で覆われ、その虫を食べる鳥やコウモリが大量に飛び交った。初めてみる光景で、立ち尽くしたっけ。今はそんなこともないってことか。生物好きの私としては寂しい限りだ。というか、そういった感傷では済まされない話だよな。
この人の絵が好き。高いけど、この画集欲しいなあ。