昨日はとても暖かでした。庭に出て落ち葉を集めたり雑草を抜いたりしました。気がついたら賛美歌を歌ってました。賛美歌461番「主われを愛す」です。
私は大学生の頃に一年間だけ寮生活を送りました。寮では賛美歌を歌いお祈りをしてから食事をとるきまりでした。素養のある何人かの寮生が交代でオルガンを弾き、それに合わせて皆で歌います。面倒だからか、短い賛美歌が選ばれがちで、この曲は何度歌ったかわかりません。以来、私は、苦しい時やつらい時に、この賛美歌を小さく歌ってきました。
どうしてなのか自分でも不思議です。私はクリスチャンではありません。「主われを愛す 主は強ければ われ弱くとも 怖れはあらじ」そんな信仰心は全くないのに。寮での一年は印象深いものだったので、その楽しい思い出が甦るからかもしれません。それとも白楽天の漢詩に惹かれたように(好きな漢詩とねじれたファザコン)漠然と父性を求めているのか。どちらにしても口ずさんでいるとなんとなく元気になります。逆にいうと、この歌を歌ってしまう時は(自分は今、元気がないんだな)と思います。
確かにいろいろと悩み事も多いし、また新しい仕事を始めるとも思いませんでした。その仕事も不定期なので、もう一つくらい掛け持ちしないとお金が足りなさそう。そんなわけで先日の記事のように僻みっぽくなっています。いや、ほんと、あれは僻みでしかなかった。無印良品の本屋さんは素敵な雰囲気でした。「考える人」は高かったけど。(←しつこい)
そういえば、塾の後任の講師に仕事を決めたことを知らせると「私も子供が大学生の頃は、ダブルワークでがんばっていたことを思い出しました」というLINEが来ました。私より少し年上の方です。今までは自宅で教えていたけれど生徒が減ったので外でも働くことにしたと言ってたっけ。我が家の子供達が社会に出るのはまだ先です。さあ、もう少しがんばりますか。
庭仕事をしていたら、大きな綿毛をもった種が幾つも落ちていました。なんの種だろう? アザミ?
庭木の下に上手い具合に苔が生えたり雑草が花を咲かせていたりすると、宮沢賢治の「カイロ団長」を思い出します。「宮沢賢治・漫画館」では、この作品を水木しげるが描いています。とぼけた雰囲気が本当にぴったりです。作品の冒頭部分は以下のとおりです。(青空文庫 宮沢賢治 カイロ団長 より引用しました)ほんと、この作品好き。
あるとき、三十
疋 のあまがえるが、一緒 に面白 く仕事をやって居 りました。
これは主に虫仲間からたのまれて、紫蘇 の実やけしの実をひろって来て花ばたけをこしらえたり、かたちのいい石や苔 を集めて来て立派なお庭をつくったりする職業 でした。
こんなようにして出来たきれいなお庭を、私どもはたびたび、あちこちで見ます。それは畑の豆 の木の下や、林の楢 の木の根もとや、又 雨垂 れの石のかげなどに、それはそれは上手に可愛 らしくつくってあるのです。