12月に用事があって鳥取まで出かけた。まだGo toトラベルが中止になっていない時期だったので、近くの旅行代理店でパッケージツアーにしたら、交通費と宿泊費(素泊まり)で15,000円弱だった。こんなに安くなるとは。時間やお金に余裕がある人が旅行に行きたくなるはずだ。
小倉から岡山まで新幹線、そこから特急に乗り換えて鳥取まで。新幹線は車両内に数人の乗客しかいなかった。途中下車できない切符だったので、岡山駅内のドトールで特急乗り換えまで時間を潰した。店内に客は私だけ。駅構内も人はまばら。自宅からここまでずっと人混みなしだ。どこに行っても人はみなマスクをつけていて、あちこちに消毒液が用意してある。もうこの景色が日常になってしまった。
乗り換えた特急も乗客は少なかった。短いトンネルを抜けると一気に雪景色になった。山に積もっている雪の様子が、粉砂糖のようで心惹かれた。「こんな山奥にけっこう人が住んでいるのだな」と意外だった。ほとんど雪が降らない地方に住んでいるので物珍しくて、トンネルを抜けるたびに写真を撮ったが、どれも同じような風景。山と田畑と小さな集落。今も林業や農業で生計を立てているのだろうか。
そうこうするうちに鳥取に着いた。鳥取駅に自動改札機はなく駅員に切符を手渡しする方式なのが懐かしい。一方、駅構内はシャミネ鳥取というショッピングモールが入っていていまどきのお店が並んでいる。若い人でわりと賑わっているように見えた。宿泊するのはホテルニューオータニ鳥取。一人なのにツインルームで無駄に贅沢。以前泊まった時より部屋が綺麗な気がした。公式サイトで確かめたら2019年4月にリニューアルした部屋だそうだ。正規料金は「1人1泊 13,600円〜」となっていた。今回の旅費とほぼ同額だ。
鳥取に来るのは二度目だ。初めて来た時、駅前に広がる商店街の規模に驚いた。思いがけない広さ。シャッターが下りている店もかなりあるが、呉服店や中高年向け洋装店が何軒も健在で、いったい誰が買い支えているのだろう、裕福な年寄りが多いのかなと不思議だった。今回、鳥取駅から徒歩数分のサンロード商店街内にある「我天」という店で天丼を食べた。人気店らしい。座敷席の先客が出て行くと、すぐにアルコールで消毒していた。使った席は時間をおいて次の客を案内しているので、カウンターでいいかと聞かれた。カウンターから揚げているところが見えるかと期待したが、そんなことはなかった。衣が大きくて庶民的な味。油っぽさはなく美味しかった。帰宅後に検索したら、鳥取なにたべというサイトに詳しい食レポが載っていた。
商店街を歩いてみた。雪がかなり積もっていて人通りも少ない。とにかく寒すぎて、マスクをしていると眼鏡がすぐ真っ白に曇ってしまう。
こういう昭和な建物がずっと並んでいる。高層建築物はほとんどない。駅前のホテルとデパートくらい。本屋が健在でうれしい。ここ以外にもう一軒見かけた。
表具屋や仏具屋が現役で営業している側に古着屋やカフェがある。まだまだ元気な商店街なんだな。
とはいえ、ちょっと横に入るとシャッター街。たまたま定休日なのか空き店なのか分からないけど。
次の日はここでパスタを食べた。店内や料理の写真は撮り忘れた。けっこう客が入っていた。観光地だからか、元々そういう文化があるのか、カフェが多い。古くて年季が入った店もあれば、ここ数年のうちにできたような新しい店もある。すなば珈琲は前に来た時とは違う場所に移転していた。
一箇所だけ観光に行こうと思って鳥取城址へ。想像したよりもずっと立派だった。写真は仁風閣。アプローチが広い。ほぼ貸切状態で見学した。背後にある庭も美しかった。同じく鳥取城址内にある博物館にも行った。こういう公園が身近にあるのはうらやましい。
帰り際、駅前の鳥取市国際観光物産センター まちパル鳥取 に土産を選びに寄った。「地元支援」として名産品の福袋が各種売っていたので銘菓詰め合わせを一つ買った。観光業はコロナで痛手だろうな。電車待ちまでもう少し時間があったので、駅前の大丸デパートの地下にも行ってみた。この二つに寄ればたいていのものは揃う気がした。
帰りも誰と話すこともなく、閑散とした特急、新幹線、在来線を乗り継いで帰宅。思いがけない小旅行ができて正直楽しかった。ただ、どこへ寄っても「こんなに出歩かずにホテルでじっとしているべきでは」という罪悪感がついて回った。早くコロナが収束して欲しい。
車中で読もうと思って持っていった本。おもしろくて鳥取に着く前に読み終えてしまった。
帰宅後、夫に「山陰の山間地はけっこう集落があってびっくりした」といったら「八つ墓村のモデルになったのがあの辺り。昔からの資産家も多いんじゃないの」だって。そうなの?
【私の好きな鳥取銘菓】
饅頭 「因幡の白兎」は福岡銘菓「ひよこ」に似てる。味はひよこの方が好き。同じ会社のこのフィナンシェは美味。
きな粉餅に黒蜜をかける菓子 「大風呂敷」は「筑紫餅」のパクリ? と思ったら「大風呂敷」の方が古かった。失礼しました。全国いろんなところに同じような菓子があるみたい。今回買った福袋の中にこのクッキーが入っていた。かなり大きめサイズ。すごくおいしかった。
職場に持っていったのは福袋に入っていたこのサブレ。トッピングのほろ苦いコーヒーの味が効いてると好評でした。
ほろほろクッキー。パッケージも好き。
大丸では、ここのナッツの蜂蜜漬けを買いました。
今回買わなかったけど、大丸の地下で見かけた「風土記」という一口サイズの落雁も気になる。