元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

スティック状のフロランタン三種

実家の母がこよなく愛する焼き菓子がある。「セイ・トオイ」で売っている「アーモンドスティック」というスティック状のフロランタン。かなり固い。

 

数年前、違う店でほぼ同じ形状のものを見つけた。「瀬川菓子舗」の看板菓子「キャロット」だ。こちらは、トオイのより柔らかい。母に食べさせたら「ちょっと湿気ってる?」と言った。違うよ〜。私は、この微妙な柔らかさが好き。それにしても「名前に反してニンジンは入っていません」とホームページにも書いてあるのに、なぜ「キャロット」なんだろう。

 

先日、なにげなくテレビを見ていたら、北九州の菓子店が紹介されていて、そこの看板菓子が「アーモンドキャロット」だという。これは一度買いに行かなくては! 「キャロット」の謎が解けるかもしれないし。

 

ということで、北九州市八幡西区萩原にある「はやし家」に行ってきた。筑豊電鉄萩原電停のすぐ近く、昭和感がある懐かしい雰囲気の店。「キャロット」とついている理由を聞くと、「昔、フランスの職人さんを呼んで講習会を開いた。その時に作った菓子。 ”アーモンド・クロカント・ケベック” という名前だった。その名前で売っていたが客に不評だったので、何か親しみがあって可愛い名前を、ということでつけた」とのこと。

 

「ほら、スティック状だし、なんかキャロットってかわいいから、ね。」と言われたけど、「キャロット=かわいい」という感覚がわかるようなわからないような。古い喫茶店や洋食屋の店名でありそうな気はする。

 

講習会は何軒かの菓子店が集まって開いたそうだ。(講習会に出席した人がその後それぞれ独立した、のかもしれない。詳しく聞きそびれた)そのあと、各店それぞれが独自に工夫して作ってるので、ちょっとずつ個性があるのかな。

 

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固さは「セイ・トオイ」と「瀬川菓子舗」の間くらい。三店の中で一番素朴な味だった。この包装もいかにも「地元の商店街にある菓子店」という感じでいいな〜と思った。美味しかった。ごちそうさまでした。

 

このブログで触れたことがある古本屋「珍竹林」からわりと近かったので、今度また買いに行こう。

 

フランスの素朴な地方菓子 ~長く愛されてきたお菓子118のストーリー~
 

「クロカント」って、この本に載ってるかな〜。息子(帰省してもう二ヶ月)がいうには「カリカリ、サクサクした」という意味らしいです。「コロッケ」も同じ語源からきてるらしい。「クロカント」と「コロッケ」はいとこ⁈