元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

父と公園と甥っ子

nenesanさんのゴミ拾いの話を読んでたら、父のことを思い出した。父はかなり難がある人だった。働いている頃は、しょっちゅう酔っ払って帰宅し、庭で大声で喚いたりしていたので、近所では「ちょっと危ない人」と思われていたかも。

 

そんな父が、晩年日課にしていたのが、近くの公園の草取りだ。まだ小さかった孫を連れて行き、勝手に遊ばせておいて自分は草取り。実家が位置するのは郊外の住宅地で、住民が一斉に年老いている。遊ぶ子もいない寂れて草ぼうぼうの公園だったが、父のおかげで見違えるほど綺麗になった。

 

草取りをする父に感謝の声をかけていく近所の人もいて、少しは会話もしていたようだ。母は「お父さんが良い人って思われるようになった」「**ちゃん(孫)とお父さんが上手くいくか心配していたけど良かった」と喜んでいた。

 

父は別に良いことをしようと思ってやっていたわけではない。元々、そういった作業が好きで、自宅の庭に出ては草をむしったり地面を掃いたりしていた。狭い庭なので「ピンセットで抜いてるんじゃないか」と母が冗談を言うくらいの徹底ぶりだった。弟が子連れで出戻ってきたが、小さい子にどう接して良いかも分からず、とりあえず公園に連れて行ったら草が生えていたので自然と始めたのだろう。

 

癌で死んだ父だが、入院した時に看護婦さんから「すごく日焼けしてるから漁師さんかと思った」と言われたそうだ。最期は、ご近所や孫から「良いお爺ちゃん」と思われて、良い人生だったのかもしれないな。

 

柳宗民の雑草ノオト

柳宗民の雑草ノオト

 

雑草と言っても、可愛い花が咲いたりします。裏庭の何も植えてないところに、ドクダミやスミレ、露草などが出てきます。ちょっと楽しみ。