親戚が亡くなったので、お葬式に行ってきました。金光教信者の方だったので、普段慣れている仏式の葬儀とはちょっと違いました。お坊さんではなくて、神主さんっぽい装束の方が来られていました。数珠は必要ありませんでした。最初に、参列者が戸惑わないようにということなのか「葬儀式拝詞」というものが配られました。
まず、一同で「天地賛仰詞」というのを唱えたあとは、神主さん(じゃないかも)が、故人の生まれてからの来し方を、祭詞というのでしょうか、独特の節をつけて唱えます。どこで生まれ、どんな仕事をし、どのような生活を営んできたのか、いつ病気になったのか、闘病生活はどうだったのか等々。お経と違って短くて具体的だし、故人がどういう方だったのかわかりやすかったです。
そののち、焼香の代わりに玉串を捧げます。作法は、最初にもらった「葬儀式拝詞」に図解がついていたので、そのとおりにしました。最後に、「新霊神拝詞」というものを唱えて、一同拝礼したのち、神主さん(?)が退出して葬儀終了です。
最後に喪主である長男が挨拶をしました。途中、涙声になりながら話していました。挨拶を聞きながら、昔、この親子と宴会で同席した時のことを思い出していました。息子が家を建ててすぐの頃で、父親は幾分お酒が入っていたこともあり、上機嫌ではしゃぎ気味でした。そこに「あんたが建てたわけじゃないやろ」と息子が冷たい声で言ったので、一瞬場がしんとなったのを覚えています。故人はかなりわがままな方だったようなので、いろいろと確執もあったのだと思いますが、喪主挨拶は父への想いに満ちたものでした。
金光教については詳しく知りません。信者の方から、「悩みや困りごとがある時は、教会へ行ってアドバイスをもらう」と聞いたことがあり、(宗教というよりカウンセリングっぽい)と感じました。人はみな神のいとしご(氏子)であり、それぞれの宗教の開祖も、神のいとしごであるという教えから、他の全ての宗教を否定しないという思想を持つそうです。「穏やかな宗教」というのが私の金光教への印象です。
(リンク先のAmazonの本、べらぼうに高いです。「日本の古本屋」サイトで検索したら登録はなかったけど、リクエストしたら見つかるのではと思います。)
*余談*
一緒に行った父母に聞いた所、近所に黒住教という宗教の信者の方々がいらして、その葬儀も神式だそうです。ウィキペディアを見たら天理教、金光教、黒住教は、幕末三代新宗教となってました。新宗教といっても、けっこう長い歴史があるのですね。
小川洋子が金光教と縁が深いことを知りました。興味深かったので、自分の覚書として追記しておきます。なぜかAmazonでは中古本しか売ってませんが、普通の書店でも取り寄せることができるようです。また「考える人」2008年冬号河合隼雄氏の追悼特集の中に、小川洋子との未発表対談が掲載されていて、金光教についても触れているとのこと。それも収録されているのかな。
こちらにも興味があります。