午前中に栗をむいておいて、午後から病院へ行ってきた。ちょうど看護婦さんが来てなにか処置をする様子だったので、着替えなど頼まれていたものを舅に渡して、すぐに退出した。
せっかく外に出たんだから買い物をして帰ろうと、近くのショッピングセンターに寄って、靴下を買ったり洋服を見て回ったりした。最後に昨日の日記に書いた「汁ものレシピ集」に載っていた「沢煮椀」の材料を買い揃えた。
さて、帰ろうかと思ったら車の鍵がない。あわててバッグの中身をさぐってみたがどこにも見当たらない。寄ったテナントに聞いて回り、最後はサービスカウンターでも問い合わせたが届いていなかった。
(まあ、私にはよくあることじゃないか)と必死で平常心を保とうとしながら近くのバス停に向かった。とにかくいったん家に帰ってスペアキーを取ってこないと。バスに乗っている間、気持ちが沈んだが(すぐにバスが来るなんてついてる。ショッピングセンターに戻ったら鍵が届いているかも)と自分に言い聞かせた。
帰宅して、品物を保冷バッグから出して冷蔵庫に入れていると、外ポケットから、ころんと鍵が出てきた。ほんっっと、ばっかだな〜。荷物を全部出して確かめようかと迷ったものの、人目が気になり、小さなトートバッグはひっくり返して見たけれど、保冷バッグは中に手を突っ込んで探しただけだった。どこか片隅で全部出してひっくり返していれば見つかったはず。私のことだから絶対落としたんだ、という自分への信頼のなさが裏目にでてしまった。
(いやいや、でも落としてなくて良かったよ。ほんと、ついてたなあ)とまた自分に言い聞かせる。まずは夕食を作ってから戻ろう。栗ごはんを炊き、沢煮椀の材料を切る。ひたすら料理に集中して作り、出来上がったら隣の姑のところへおすそわけした。
台所を片付け、バスの時間を確かめてからバス停へ向かっていたら、あと少しで着くぞという時に、バスが通り過ぎるのが見えた。時刻表の平日と土日版の見間違えで、次のバスは30分後。さすがに足を引きずるようにしてJRの駅へ向かった。最寄駅で乗り換えてバスに乗るしかないな。夫のほうが先に帰るかもしれないので、事情を説明するメールを送信した。
折り返し夫から電話があり「ちょうど家に着いたとこ。今から父さんの車で送ってあげる。そうじゃないと時間かかるでしょ」とのこと。申しわけないけどお願いして車を取ってきた。
情けないことだが、私にとってはよくあるレベルのトラブルだ。栗ご飯と沢煮椀が上手にできたし、鍵はなくなってなかったし、夫は優しかったし、今日はよい一日でした。
*沢煮椀について*
レシピ集には「本来は漁夫が沖にでる時、塩漬けの肉と野菜を持っていき、汁に仕立てたことからでたとも云われる」と書いてありました。豚肉と野菜、きのこを油で炒め、出汁を加えて煮たものです。レシピ通りに材料のすべてを千切りにしてネギを散らしたら(レシピでは絹さや)、上品な雰囲気に仕上がりました。白味魚でハモ、こち、はぜなどを使っても美味しいとのこと。
子供が小さい頃は、五味太郎さんの絵本をたくさん読んだなあ。