元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

自意識過剰で手放せなかった本

以前の私は大量に本を買っていたので、読んだら売るを基本にしていました。しかし、古本屋に持っていくのが恥ずかしくて手元に置いたままになった本もあります。この本です。

 

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「少年を鍛えて世に送り出す。女の醍醐味。年上の女の。」という文がネック。(え? このおばさん、そんなこと考えてんの?)とか思われるんじゃないかと。単なる自意識過剰なんですが。帯をはずすとこんな感じ。

 

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かっこいいです。(あ。そうか、帯をはずして中に挟んでから売ればよかったんだ)と今思いました。

 

片岡義男はバブルの頃に一世を風靡した反面、本をあまり読まない人からも馬鹿にされてるとこがありました。かっこつけてるよね〜みたいな。でも、私は好きです。文章が綺麗だと思います。そして、この本は、戦争から立ち直りつつある日本の雰囲気が(ファンタジーであるにしても)とても良いです。主人公の親世代の登場人物が主人公を指して「きみたちは、贅沢な時代の人間だ」というシーンが印象的でした。

 

パラレル (文春文庫)

パラレル (文春文庫)

 

 

読み終えてテーブルに置いてたら夫が読んでました。感想を聞いたら「かっこつけすぎ。片岡義男みたい」と言われました。最初は(いや、全然違うやろ)と思ったけど、なんとなくわかる気もする。

 

追記

『東京青年』は青空文庫で読めるようです。