月曜日、一年生の前で絵本を読んできました。入学後初めての時間なので「時々絵本を読みにくるお話のおばさんです。よろしくね」と自己紹介をして、「とんとんとんとん、ひげじいさん」の手遊び。「知ってる〜!」と元気にやってくれて、かわいい。
『こすずめのぼうけん』は日本での出版年が1977年。とても古い絵本です。お話の内容は……初めて空を飛んだ日、子雀はお母さんのいいつけを聞かず、そのまま遠くまで飛んでいってしまいます。疲れて休みたくても、からすやあひるたちは自分の巣に入れてくれません。とうとう日が落ちてしまい子雀はとほうにくれます。そこにお母さん雀が現れて....というもの。雀って日本やアジアに生息している小鳥だと思っていましたが、イギリスにもいるんだなあ。石井桃子さんの訳がとてもやさしく品が良いのです。こういうおっとりとした感じの絵本に今の子がどんな反応をするのか最初は不安でした。まだるっこしく思わないかなと。でも意外なくらい真剣な顔で聞いてくれ、最後にお母さんと再会するシーンでは、ほっとしているのが伝わってきました。
読み終わって、サークルメンバーと雑談。
「この小雀、お行儀いいよね。言葉遣いもしっかりしてるし」
「おかあさんのしつけがいいんでしょ」
「でも、いうこと聞かなくて飛び出していっちゃうじゃない」
「おるよね〜こういう子」
「最後のシーン、私なら怒鳴っちゃうよ。どこほっつき歩いてたんね!って」
「そうそう。ずっと探し回ったんだよ!ってね。反省したわ」
「でもさ、いくら暗くてもお母さんってわからないのがさびしすぎない?」
「 ”ぼく、あなたのなかまでしょうか?” って......ひどいよ」
「おかあさん!って飛びついてきてほしいよねえ〜」
そういや、私はこういうシーンで怒鳴ったことないなあ〜と思いました。息子はしょっちゅうどこかに行ってしまって探し回ることが多かったけど。怒鳴ったりしたらパニックになるし、せっかく見つけたのに、またぴゅーっと逃げちゃうかもしれない。とりあえずは優しく「捕獲」して、ちょっと落ち着いたところで「もうどっかいっちゃだめだよ」「うん。わかった!」とやってました。でも結局全然わかってないんですけどね。この子雀も息子タイプなのかもしれない。このお母さんもさんざん痛い目にあったのかも。いや考えすぎだって。
- 作者: ルース・エインズワース,堀内誠一,石井桃子
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1977/04/01
- メディア: 単行本
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堀内誠一さんの絵がとてもきれいです。いろんな鳥がでてきて鳴き声を披露するのも子供達には興味深いようです。同じように鳴けるか? と聞かれた子雀がその度に「いえ、ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきり いえないんです」というのが可愛すぎる。
追記
イギリスにも雀がいるんだなあって、あの有名なチープサイドを忘れてました。子供の頃、あれだけ夢中で読んだのに。ドリトル先生シリーズに出てくるロンドンっ子の雀。ロンドン訛りを江戸っ子ふうに訳してあったっけ。